グアム・サイパン太平洋の伝説


海洋航海術の伝承

海洋航海術はどのように伝えられたか HOW NAVIGATION WAS LEARNED ③

 その時、サンドパイパーの目の前に女の子が一人立っておりました。
 「はじめまして、ご機嫌いかがですか」彼女は礼儀正しく挨拶をしました。
 「何か食べるものか飲むものをお持ちしましょうか?」女の子がそう言うと、鳥は
 「望む所だ!」と乱暴に答えました。
 おまけに「さあ早く準備をした方が良いぞ!」と付け加えたのでした。

 孫娘は大急ぎでお爺さんの元へ走り、この奇妙な訪問者の事を伝えました。
 お爺さんは言いました。

 「そうか、等々現れおったか、あの人食い鳥が。」
 「良いか、決して取り乱してはならないぞ。」そう言うと、お爺さんはこの人食い鳥をもてなす為の特別な料理と飲み物の準備に取り掛かりました。
 その間に孫娘は鳥を浜辺へ連れ出しました。彼女は両手いっぱいに、片方には新鮮なココナッツジュースを、もう片方にはココナッツの殻一杯に入れてある新鮮な魚とタロイモがたくさん抱えられていました。

 「さあ、どうぞ召し上がれ。」 孫娘はサンドパイパーにとても明るく言いました。
 「ふん、こんな少しの食べ物では足りないぞ」鳥は不満げにこぼしました。
 「いや待てよ、まあこれは前菜と言う事で…まずは手始めだ。」そして一気にココナッツジュースを飲み干すと、あっという間に魚とタロイモも平らげてしまいました。食べ終わった後、サンドパイパーは疲れを感じ始めました。

 「ふむ、今はここで少し休むとするか。その後にあの子供を捕まえてバクッ!」
 「第2のコ―スをお楽しみだ。」そんな思いを巡らせながら、鳥はすっかり寝てしまいました。
 しばらくして目を覚ますと、目の前の足元には、またまた溢れるほどのココナッツジュースとたっぷりの魚やタロイモが置いてありました。
 もう一度、サンドパイパーが全てを食べ尽くした後、振り向いて女の子の姿を探しました。この人食い鳥が振り向いた時、一体そこには何があったでしょう?
 なんと再び、溢れんばかりのココナッツのジュースがずらり、空っぽになっていたココナッツの殻の中には新鮮で美味しい魚とタロイモがどっさりと現れておりました。もちろん全て魔法のおかげなのですが、鳥は全く気が付きません。


⇒海洋航海術の伝承④