グアム・サイパン太平洋の伝説


タガ王の伝説

タガ王の伝説 THE STORY OF TAGA⑥

タガ王

 伝説では、タガには12人の子供がいました。一人に一つの意味で、彼の家を支えるラッテが置かれたとされています。
 タガの子供達が亡くなった後、彼らはスピリット【霊魂】になりました。そしてそれぞれのスピリットは最終的にこの世を去るまでに、このラッテに宿ってきたとされています。
 そしてこのラッテが崩れていく瞬間に、これらのスピリットは解放され、次のステージへ進んで行くのです。

 今日、その場所には一つのラッテが立っています。それはタガの娘の石です。
 この末娘のスピリットは、未だに彼らの住居跡に残るプルメリアや椰子の木に宿っています。彼女は不幸で孤独なまま、その嘆かわしい悲劇の運命によって、彼女のスピリットは今も閉じ込められているのです。
 彼女の魂は未だに、彼女の犯した罪にさいなまれ苦しんでいます。彼女のスピリットはこの最後のラッテが大地に倒れる時まで、その瞬間を待ち続けるのです。

 テニアンに住むチャモロ人の多くは、このタガの娘を見た事があると言っています。
 人々は皆、苦悶に満ちた悲しそう彼女の姿を見たと言い、ある人々は彼女が大きな声で泣き喚くのを聞いた事があると言います。
 いつか、この最後のラッテが倒れる時、タガの娘は遂に解き放たれて、安らかに眠る事でしょう。